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NEW REVIEW
9/18 Mew
8/28 Belle & Sebastian  8/21 D12   6/25 White Stripes  6/17 Jamiroquai
6/7 Oasis/Lyla  5/22The Libertines , Limpbizkit , 4/4White Stripes , Mars Volta, Maroon 5
8/7 雑記にシューゲイザー特集を追加    好きジャケシリーズを更新

     Mew / Frengers

 評価 A++
僕のモチベーションが雨降る前の燕ぐらいの位置をふらふらしてしまい、目標としていた「1週間に1枚は更新」が達成できなくて残念です。わずか2週間で目標断念ってねえ。我ながら情けない。 で、今回、久々の更新はサマソニにも来たデンマーク出身のMewのデビューアルバムです。新作も今月日本先行発売で出ます。
アルバム名は「Frend」と「Strenger」をかけあわせて「Frengers」。「友達」と「見知らぬ人」。普段聴き慣れたポップ・ミュージックではないけれど、“なんじゃこりゃ”って代物でもないってこと。始めて会うんだけどどこか親しみをおぼえてしまうという意味があるのだそうで。 なんとも的確ですね。
まあ、大体のサイトさんで高評価を受けているアルバムですので僕が今更かたるのもなんですけどこのメランコリックな美しいメロディと轟音ノイズがたまりません。1曲目から素晴らしいです。力強いドラムにシンセとギターの絡みが合わさって盛り上げていく始まりから美しく、扉を開くようにして鳴り響くヨーナス君のヴォーカルがたまらなく感情を揺さぶります。1,2,3とバンドの力強さを見せるような曲が続いたあとに入る4曲目は印象の少し変わった優しい響きを持った曲で、アルバムにいいまとまりを持たせています。続く5も美しいのですが、何と言っても8,9,10の流れが素晴らしい。8は感動的です。 どこかで聞いたことがあるようなフレーズが多いのですが、それを上手く自分たちの音にアレンジしていて温かみのある構成となっているところが好印象です。
何とも凡庸なレビューになってしまった。何か変わったことを書けないかな。 彼らを語る上で、よくスマパンやマイブラが引き合いに出される。確かに似ている所があるけどその2バンドと比べるには少しスケールが小さい気がする。彼らよりもこぢんまりとしている。要は、メランコリックな美しいメロディ+ギターノイズによって作られる幻想的な世界観がそれを連想させるというわけだろう。色んな所から音を持ってきて合わせているから二番煎じという印象を与えないが、それが逆にこぢんまりとした印象を受けさせる。 ・・・駄目だ。何ら変わりがない。 また今度新作との音のつながりを考えてみることにしよう。
     Belle & Sebastian / Dear Catastrophe Waitress

 評価 A+
メンバーの一人イザベルの脱退、レコード会社の移籍後に出された最初のアルバム。 プロデューサーにはt.A.T.u.を手掛けたトレヴァー・ホーンを起用するなど、今までと何か違うんじゃないかと思わせるような材料が多かった今作は、やっぱりファンの間ではあまり評価が高くないようです。 何よりトレヴァー・ホーン、グラスゴーの優等生というかUK音楽シーンの良心のベルセバを、「ラジオスターの悲劇」でも知られるトレヴァー・ホーンがプロデュースするとは何事か、と。発売前から「おいおい、俺らのベルセバをラジオスターみたいなキーボードのチープなアレンジでもしやがったらタダじゃおかねぇぜ」みたいな。 僕はそんなことも一切しらずに、ジャケットとバンド名の何とも奇妙な雰囲気に惹かれてレンタルして、彼らの虜となったかなり遅い方のファンなのですが、これは素晴らしいアルバムだ、と思いました。知的なPOPというか、派手さがないのにきらきらと光っている独特の世界観に入り込んでしまいました。それでファンになって、これの前のアルバムも聞いてみたりすると、確かにこれはベルセバの中でもかなり異色な仕上がりになっている作品のようです。今までの魔法のような世界はなく、驚くほど陽気な世界が広がっています。 僕はそれの虜となったのだから何も不満はありませんが 新作を待ち望んでいたファンにとっては期待を裏切られたと言ってもいいぐらいの大きな変化でしょう。でも、今作をよく聞くと、ベルセバのスタイルが変わってしまったのではなく、そのスタイルの上にアレンジが加わり、今までとは違った色合いになっているだけで、ベルセバはベルセバであることが分かります。 が、その着色が今までよりよい結果を出しているかと言うと、やっぱりそうではなくて。あの心に突き刺さるような、思春期の青さを感じさせる楽曲をもっと聞いていたかったのは事実ですね。
音が変わったと言っても、僕みたいに新しいファンを作るだけの楽曲の強さはあって、完成度としては申し分ないと思います。3なんかずっと聞いていたくなるほど美しいし、4,5,10の陽気さは聞いていて心地よい。8,9は今までのベルセバの色が出ていてすごい好きだし、11のはっちゃけた感じも気に入っている。
このアルバムでの変化を一言で言い表すと、「ベルセバがひねくれた」 これに尽きます。ひねくれさせたのがトレヴァー・ホーンなのかは知りませんが、ベルセバのスタイルが変わらない限り応援し続けていくと思うことの出来るアルバムです。 
        D12 / D12 World
 
  評価 A−
えー、久々の更新になりますのはエミネム率いる6人組HIP HOPバンド、D12。選んだ理由は特にありません。いいからとりあえず何か書こうぜ。何かないか、ああ、もうこれでいいや。 となって手に取ったのがこれ「D12 World」

8 Mileの余韻冷めやらぬ2004年の春にリリースされた今作にはまだまだ勢いがありますよ。 D12。このバンド名はバンドメンバー6人が自分とは別のキャラクター(ダーティなエゴというらしい。エミネムだったらスリム・シェイディのこと)を持っていることからだそうです。ちなみにこれは2ndなのですが、彼らは1stアルバムが出る何年も前から「俺たちの中から誰か1人でも成功したら、その時はそいつが他の5人を呼び寄せて世界に殴り込んでやろうぜ!」といった誓いをしていたそうです。で、メンバーの中の1人のエミネムが大成功し、めでたく皆が集結した、と。「有言実行」とか「6人の絆の結晶」とか言って宣伝に使われています。
話は変わって、僕がこのアルバムに興味を持ったのはスペシャで「My Band」のPVを歌詞付き見たからですね。エミネムのワンマン・グループとしての扱いを皮肉った内容で、威張り散らすエミネムに他の5人が愚痴をこぼすというのが実におもしろい。「テメェ、本心じゃ黒人は引っ込んでろって思ってんだろ」とか「曲がスタートしたら奴(エミネム)のマイクをオフにでもしてやるかな」とか「もう、このバンドにはうんざりだ。そろそろソロでもやってボロ儲けするか」とか、キャッチャーなフックにのせてラップするのはすごい印象的でした。

アルバム全体を通して楽曲のクオリティが高いです。まくし立てているのにキャッチャーで、適度にハード、誰でも聞けるというのが魅力ですね。エミネムのラップは音楽的な高みを目指しているのではなく、娯楽的なんです。自分の好きなように出来たらいいわけで、架空のキャラクターを作り上げてそれでセレブに向かって好き放題に攻撃して、話題を独占、CDバカ売れ、ティーンズのヒーロー化。彼は音楽という土俵に漫画的な要素を持ち込んだわけですね。その圧倒的なキャラクターの濃さと暴言でセレブに噛みつくのは、世界規模で行われた子供の悪戯のようなもので、ティーンズの支持を得たわけです。
そんな彼へのレビューなど、勢いが「ある」「ない」で十分なわけで。「友情で結ばれた6人組のラップ」これもまた、それで十分。前作に比べバンド全体で作ったとか多彩な内容になっているとか、そんな言葉をつないで紹介していくことも出来ますが、「今作も勢いに乗っている」とこれが1番いい気がしますね。 ただ、勢いが重要なだけあって賞味期限は短いと思います。もうレンタル解禁になっていることですし、何かの機会があれば是非手にとって「My Band」のPVを見てください。アルバムも深く考えずに聞くのだったら十分な、多彩であきずに楽しめる出来となっています。

これからは、1週間に1枚は増やしていきたいと思います。
     White Stripes / Get Bhind Me Satan
  評価 A+



全然おもしろくない。いつもより悪趣味なジャケットのように趣味の悪いギターロックなってしまった。と、シングルを聞いたときに思った。今までの音とは打って変わって分厚いギターが響き、ジャックが終始裏声で歌っています。ディスコ・ビート風のメグのドラムは、ギターとよく合っていたのだけど、それが逆になまぬるい印象を受けさせた。 何なんだよこれは。ファルセットボイスといい、ギターといい、太いぜ。ぬるいっつの。 前より重厚になってはいるけど破壊力が全然違う。ガレージから抜け出そうとしているのだろうけど、これは失敗だぜ。出直してこい。 とかボロクソ言っていた。 が、恐らく、この曲が作られたのはレニー・セルヴィガーとの破局の頃でしょう。そうすると、どこか悲壮感をただよわせているジャックの金切り声と、力強いギターとドラムとの対比が実にメランコリック。悪趣味な雰囲気も悲しみで自暴自棄のようなものを思わせ、「あ、いいかも。これ。」と思ってアルバム購入に走った。

気づくのが遅かったが、タイトルから惹かれとくべきだった。「悪魔よ、俺の後ろにつけ」 ロバート・ジョンソンじゃん。十字路にでも行ってきたんかい。
ブルース全開か?と胸ふくらませながらシングルの1曲目をふっとばして聞いてみると、不思議なマリンバの音色。シングルでダークネスみたいな奴らになるのかと思ってたら全く違った。3曲目といいブルース節を見せます。ピアノを使った曲が多かったり、カントリー風なものもあったりと、ジャックのギターが目立たなくなってる。 それが、物足りなさを感じさせない仕上がり とまでは行っていないのが残念だが、非常によくできたアルバムだと思う。 1曲目みたいなジャックのギターを聞かされていたら僕はボロクソ言っていたと思うしね(笑) 歌が前に出てきていて、ギターロックではなくなっているが、魂がこもっているのだ。 前にあったあの鋭さなど微塵もなく、ガレージロックからの完全な離脱を見せてくれた。シングル聞いて戸惑っている人でも聞いて損はしないと思う。  彼らは今後どうするんでしょうね。もろにブルースといった曲を作っていくのでしょうか。どんな方針であろうと、今作のように意欲十分なのを見せてくれたら応援していくと思う。

     Jamiroquai / Emergency On Planet Earth
 
  評価 A
93年リリースのジャミロクワイのデビューアルバムです。「地球の危機」というタイトル通り、環境問題をいつになったら気づくんだと歌ったりと、若さと内に秘めたるものを感じることのできるいいアルバムです。
サウンド面に置いては、スティービー・ワンダーのクローンと言われ、カーティス・メイ・フィールドにスティービーまんまの音なのですが、音が洗練されていて90年代のUKらしいといった印象を受けます。「洗練」というよりも「洗濯」ですね。より優れたものになったという意味合いではなく、洗い落とされて、聞きやすくさらっとした仕上がりになってると思います。
2ndよりも浮かれているような印象ですが、そんな中でもタイトル通りの危機を感じられるのが深みとなって非常にいい仕上がりだと思います。ジャケットもいいしね。パクリ? うんパクリ。 でも苦にならないパクリ。

     OASIS / LYLA
 


何回も聞いてみたら味の出てくる〜 という評価は僕は使いたくないんですね。
曲の展開が頭に入ると、そのメロディや世界観に惚れるというのと、何度も聞いている内に馴染んできて耳がその音に妥協するというのの違いがつけられなくなりそうで。後者は、しばらくおいて聞いた時に何も感じないものとしていますが、今、僕はOASISのLylaを聞いて判断つけがたくなっています。最初聞いたときは生ぬるいグルーヴだなと思っていたのですが、4回目ぐらいの今日はスッと入り込めて心地よかった。これがOASISの魅力か?何だか、アルバムの中の1曲として、すごく聞きたくなってきた。
ノエルが作曲したものがついに、過半数を割ったアルバムとして、正に新制オアシスといったアルバムになっているのだろうか。このシングルもリアムのヴォーカルがなければオアシスと分からない出来だと思った。 そういえば前作もオアシスといった感じは受けないアルバムだった。好きな曲はたくさんあるのだが、何故か最後までアルバムを気に入ることが出来なかった。Hindo times、Songbird、Little by littleとよく聞いた曲は多かったが、平面的というかぐしゃっとした感じがあったからかな。
もう、新人バンドにバッシングを受けるほどのベテランとなった彼らにこの言葉が似合うのかは知らないが、OASIS は Rock'n roll star なのだ。 だから、僕の耳に妥協をさせるような楽曲は聞きたくない。Lylaはそれが実に灰色的だった。このジャケットのように、黒々とした中の一部分だとしたら、美しい情景として映えるだろう。そうであらんことを。


     The Libertines /
 評価 ん〜。


邦題「リバティーンズ革命」 その革命を生んだのは愛か、憎しみか。  このアルバムは本当にゴッタゴタな環境で作られてリリースされました。ピートとカールが殴り合いを起こしたり、ピートがドラッグ治療の病院に入院脱走を繰り返したり、ピートが仲間に見捨てられたんだって言ったり。うざったいほどでした。
僕はリバティーンズが心底好きでしたから、新作が出ると聞いて期待でいっぱいでした。シングルのCan't stand me nowも良かったし、すぐさまCDを購入。喜びに胸ふくらましながらこのアルバムを聞いたのですが、あまりパッとしませんでした。何回聞き込んでも今ひとつ。

楽曲の全てがメランコリックでいい味だしてるのですが、前作と違い、荒削りさが魅力と結びついてないんですね。このメランコリックな感じは荒削りからも大いに出てるのでしょうが、メロディが前より弱い。これだけでは下手くそなバンドと変わりない気がします。一瞬ハッとするようなメロディもありますが、真面目にやってるの?と聞きたくなるような楽曲が多いです。
だから、どういった気持ちでこのアルバムを聞くかが全てですね。冷静に言ってしまえばゴミゴミした未完成品、彼らに思いを寄せて聞けば、分解しかけているような痛々しさがたまらなくメランコリック。 結局いい加減なアルバムなんだな。
1と14の完成度がずば抜けているのでこの2曲だけを聞くのもいいと思います。
     Limpbizkit / Significant other

このジャケットHIP HOPって感じだよね。
HIP HOPとROCKの融合、元祖ミクスチャーロック。すぐ真似できるので多くのフォロワーを作ったそうな。
君も帽子を後ろ向きにかぶって不満そうに裏声だせばフレッドだ。(笑)
    Limpbizkit / Chocolate Starfish And The Hot Dog Flavored Water
 評価 B++
Limpbizkitの3rd、M:I-2の主題歌に使われたりとファンが一気に増えたアルバムです。
ちなみに、次のリミックス集のジャケットを見て以来、僕はこのジャケットがかわいく見えてきました。なんかヤダな。

全体的に作り上げられたアルバムです。主題歌の10もさることながら、5,6,とかもかっこいい仕上がりとなっています。。悪趣味全開の2曲目、「レディース アンド ジェントルムァン」ってイントロがすごく好きです。インパクトあります。
僕は彼らのことを「悪趣味なBon jovi」と称して来たのですが、やっぱりこれが合ってると思います。若者向けにキャッチャーに仕上げているのにわざとかどうか悪趣味な出来。ティーンズの心を掴むためか親が聞かないように裏声を駆使して不気味な仕上がり。 こんなにまとめているのにスパイスとしての悪趣味さを失わせていない所にセンスを感じます。
     The White Stripes / White Blood Cells
 評価 A+



彼らを聞いたのは「Elephant」からなのでこのアルバムを聴いたときは少し違和感があった。何というか、厚い、太ってるような印象を受けました。「Elephant」は余分なもの、普通なら余分としないものまでそぎ取った最強のギターロックだと思うんです。白黒の世界の中で巨大な骨組みがあってただただそれに惹きつけられる音でした。いるかもしれないものも捨てちゃって、捨てるべきだったかもしれないものを残したようなどこか不格好な廃墟の巨大なビルを思わせる音だったんですね。だから、このアルバムはまだ色彩というか色づけされてて油が残ってる感じを受けました。十分かっこいいし音の厚みもかなり出せてるのに物足りなく感じてしまいました。これを先に聞いたら「Elephant」を乾きすぎ、とか細いとか物足りなく感じたのでしょうが。 両方好きというにはモヤモヤする。何て言うか、このアルバムは鉄パイプ。「Elephant」はそれを削りに削って刀状態にしたアルバム。ダメージはどちらも大きいが鈍い鉛と無機質な鋭器では印象が全然違うわけで。四方で表して、どちらも右よりで似てるけど片方は上、片方は下。似てても正反対なのだ。どっちもすごくかっこいい、からこそリスナーとしては選びかねる。
この「White Blood Cells」はひたすらに僕を悩ませるかっこいいアルバムなのであまりきかない。このアルバムも肉をそぎ落とした音なのに太って聞かせる「Elephant」がすごい。
     The Mars Volta / De-Loused In The Comatorium
 評価 A




ちなみこれ1000円と激安です。
ジャケットから異色放ちまくってるマーズヴォルタのデビューアルバムです。At the Drive-inで活動してたアフロの人が新たに結成したバンドです。ATDIの他のメンバーは水で薄めたようなしょぼいロックやってましたが、こちらは実験性も持ち合わせたおもしろいアルバムになってます。曲が落ち着いてなくてふらふらと曲調が変わります。空を飛んでるような浮遊感と疾走感があわさってすごいハラハラ、聞いてて落ち着きません。 2曲目がすごいいいです。1曲目の落ち着いた雰囲気を一蹴、怒濤の勢いで駆け抜けるのですがメロディが牧歌的でほのぼのしてるのにUp Tempoでうなるギターにドラム。まじすげぇよ。「チムチムリー」みたいなメロディにふっとんだ人たちが音をかき鳴らすんだから。メリーポピンズが傘前につきだして突撃してくんだっつの。この1曲が強烈すぎて他がかすんでしまう。
全曲聞いてて緊張するような曲ばかりで雰囲気は違うのだけどアルバムとしてはまとまっています。1曲1曲ハラハラさせられるんだけど2曲目が強烈すぎて印象が薄くなってしまう。けど全部2曲目みたいにしたら緊張が張りつめすぎて子供は泣いちゃうだろう。序盤で吹っ飛ばせておいて後の楽曲もきちんと聴かせるというねらいだとしたらよくまとめています。

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